がくこつのうほう

顎骨嚢胞

別名
顎骨のう胞
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

顎骨嚢胞とは、顎骨(あごの骨)内に嚢胞(のうほう)と呼ばれるふくろ状の構造を形成する病気です。この嚢胞の内部には液体などが貯留しており、多くの場合、嚢胞の内側が上皮によって覆われています。

初期の段階では無症状で経過することもあり、歯科医院などで撮影されたレントゲン写真がきっかけとなって見つかることもあります。

原因

顎骨嚢胞に含まれる病気としては、以下があげられます。

  • 歯根嚢胞
  • 含歯性嚢胞
  • 術後性上顎嚢胞
  • 歯原性角化嚢胞

歯根嚢胞は虫歯が進行し、歯の表面から歯髄(しずい)に感染が起こり、歯根(歯の根)の尖端まで波及すると根尖性歯周炎が生じます。それがさらに進行することによって歯根肉芽腫、歯根嚢胞の発生に至ります。顎骨嚢胞のなかでも、最も頻度の高い病気です。

含歯性嚢胞は歯の発生する際の上皮から生じる嚢胞で、嚢胞内に埋伏歯を含んでいます。無症状に経過し、エックス線写真撮影で偶然に発見される場合が多くみられます。

術後性上顎嚢胞は、上顎洞炎の手術の後に続発する嚢胞です。

歯原性角化嚢胞は以前角化嚢胞性歯原性腫瘍と呼ばれていましたが、2017年からWHOにより顎骨嚢胞として分類されました。主に歯胚(歯の子供)が嚢胞化することにより生じます。

 

症状

初期段階では、無症状で経過することもあります。そのため、歯科医院を受診した際に撮影されたレントゲン写真によって顎骨嚢胞が指摘されることも少なくありません。

時間経過と共に嚢胞が大きくなると、顔面部が腫れてくることもあります。顎骨嚢胞は感染することによって痛みや局所の腫れが現れる場合もあります。

術後性上顎嚢胞は鼻閉感(鼻詰まり)、鼻汁(鼻水)などの鼻症状が生じることがあります。

検査・診断

顎骨嚢胞の原因を特定するために、歯の治療歴、それまでの病歴(外傷歴や副鼻腔炎の治療歴など)なども詳細に確認します。顎骨嚢胞はレントゲン写真やCTなどの画像検査を用いて病変の部位や大きさ、歯との関連性を確認します。

また、まれに顎骨内に腫瘍が発生することもあります。顎骨の大きな病変の場合には、病変部位の一部を採取して顕微鏡で詳細に観察する病理検査が必要です。またCTなどの画像から骨の破壊像がある場合には悪性の可能性もあるため口腔外科での精査が必要です。

治療

顎骨嚢胞の治療は、嚢胞の摘出です。感染を起こすこともあるため、この場合には抗菌薬(抗生物質)の使用が必要となります。

歯根嚢胞は、虫歯が進行し、歯の表面から歯髄(しずい)に感染が起こり、歯根(歯の根)の尖端まで波及したのち、さらに進行することによって歯根肉芽腫、歯根嚢胞の発生に至ります。つまり、虫歯が原因となっているため、虫歯に対する治療が必要なることがあります。

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